ムクゲの花

ムクゲ

 日の出前、五時頃に外出する。夜空には天の川がまだ見られた。草むらに虫の鳴き声がしている。南西にオリオン座、その下にシリウスが明るく輝いていて、冬の大六角形(ダイヤモンド)と呼ばれる六つの星が眺められた。それも、だんだん薄れてじきに星が見えなくなり、夜が明けてきた。
 フヨウに似ているムクゲの花が咲いている。蕪村に、

修理寮(しゅりれう)の雨にくれゆく木槿(むくげ)哉*1

 多田道太郎の『物くさ太郎の空想力』を読んでいると、「情報型少年」というタイトルの文で、鶴見俊輔さんについて書かれている。その中に、森本哲郎さんの太平戦争末期のころのエピソードがあってちょっと驚いた。
 「怠惰の思想」と「物くさ太郎の空想力」については、あとでふれてみよう。

*1:修理寮―宮中の修理営繕にあたる役所。『蕪村俳句集』尾形仂、校注