鹿寒し角も身に添ふ枯木哉

鹿

 街路樹のソメイヨシノの葉っぱが赤くなってすっかり散ってしまっていた。山茶花の花が咲いている。川を渡っている時に、岸辺に鳥の群れを見かけた。毎年やって来るカモかもしれないね。遠くなので種類は見分けられない。大きさから、この鳥たちはヒドリガモかも。蕪村の句に、

初冬や日和(ひより)になりし京はづれ
鹿寒し角(つの)も身に添ふ枯木哉

 『波』2006年11月号で、内田樹と南直哉の対談を読んだ。南直哉の『老師と少年』(新潮社)という本の刊行記念対談ということらしい。内田さんの話に、うんうんとうなづくところあり。木田元の「反哲学入門」は第六回目。第二章 《古代ギリシャで起こったこと》の続き。書物の運命を巡ってのエピソードが面白い。