北園克衛と田辺茂一の余白

ビワのつぼみ

 通りすがりに見かけるビワの木に、つぼみが目に付くようになった。花はまだ咲いてはいない。ビワの花は目立たない地味な花なのだ。地味だけれども、花の香りはとてもよい匂いである。
 紀伊國屋書店で小冊子『scripta』をもらう。winter2007。冒頭の斉藤美奈子の連載が面白い。「中古典ノスゝメ」の第二回。濃い「青春」の遠藤周作北杜夫の本をめぐっての文である。中古典とは、古典に昇格する前の中途半端に古いベストセラーのことらしい。
 他に、内堀弘の連載「予感の本棚」が「書店の中の余白」というタイトルで、北園克衛田辺茂一の関係をめぐって首をかしげている。うーむ。なんとも浮世離れした気持ちが豊かになれる話を書いていた。