伊藤逸平の雑誌『VAN』のこと

 冬至である。カボチャを食べて、ゆず湯に入った。

二十四節気の一。一二月二二日ごろ。太陽の中心が冬至点を通過する。北半球では一年中で昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなる日。この日にはゆず湯に入ったり、地方によってはカボチャを食べたりする風習がある。  『大辞泉

 冬至にカボチャを食べる風習は、野菜の乏しい冬の季節の祭りの供え物の意味があったらしい。蕪村の冬至を詠んだ句に、「貧乏な儒者(じゅしゃ)訪(と)ひ来ぬる冬至哉」。明和五年(1768年)十一月二十四日の句である。
 夜空が暗くて天の川がよく見える。カシオペヤ座の逆Wのかたちが印象的だった。
 書店で『青春と読書』と『本の窓』の2007年1月号をもらう。
 『青春と読書』で宇田川悟のエッセイ「ファッションの神様――石津謙介とVANワールドをめぐる旅」を読んだ。明治四十四年に岡山に生まれ、昭和モダニズムの洗礼を受けた石津謙介さん。VANといえば、謙介さんの兄、良介さんの友人伊藤逸平さんが編集していた雑誌VANのことも思う。読んでみたいものだ。
 『本の窓』で長尾みのるへのインタビューを読んだ。『絵で読む「老子」無為を生きる』という本を墨絵で描いた経緯が語られていた。試写会で観たアレクサンドル・ソクーロフ監督の映画『太陽』の中で、天皇マッカーサーに「老子を読んだことがあるか」と聞いていたのを観て、この本をやろうと決断がついたそうだ。
 『老子』と取り組み、完成させた感想が読ませる。
 参照:「60年代消費社会のカリスマ・石津謙介に見る時代適応のかたち」http://www.gpc.pref.gifu.jp/infomag/gifu/100/10-sayama_2.html