野鳥観察

ヒドリガモ

 ヒドリガモが川岸に群れて、泳ぎ回っている。長閑な午後の昼下がり。
 朝日新聞で「にっぽんの知恵」スペシャル〈今日のお題 生態史観㊦〉というタイトルの梅棹忠夫、森谷尅久、高田公理さんの鼎談を要約したような記事を読んだ。先週から続いている連載もの。梅棹忠夫の『文明の生態史観』をめぐる話。

 ところで気宇壮大な梅棹理論は、どうして誕生したのか。「自分の足で歩き、自分の目で見て、自分の頭で考えた結果や。本だけで勉強したのとは違うということや」と梅棹さん。むろん本を読まないわけではない。だが、本は「自分が考えたことを、先に誰かが考えていないかを確かめるために読む」のだと、梅棹さんは付け加える。

 書店で『新刊展望』2007年2月号をもらう。
 「古典名作を新訳で楽しむ」と題する野崎歓沼野恭子の対談を読む。光文社古典新訳文庫の翻訳をめぐっての話が、うんうんと頷くところあり。
 イタリアのジャンニ・ロダーリ『猫とともに去りぬ』がすごくおもしろかったですね、とあるので納得。こんなとぼけた短編があるんだなあ、といったところで・・・。
 日曜読書欄で『主語を抹殺した男 評伝 三上章」(金谷武洋・著)をめぐって小池昌代の書評を読んだ。「主語」という概念は不要であると主張した人だとある。