水仙に狐あそぶや宵月夜

月

 一月は寒に入っても暖冬だったが、寒気団が南下しているようだ。
夜、外へ出て月を眺める。月は煌々と輝き、天頂付近にあった。
 月明かりへ手を差し出すと、地面へ影が映る。植物の葉も地面に影が映っている。『蕪村遺稿』の安永四年(推定)の句に、

水仙に狐あそぶや宵月夜

 30日に書店でもらった『図書』2007年2月号の「ナマコの孤独」という林望の文を読んだ。「旬を食する」という連載。
 俳句に詠まれたナマコの句をめぐって、「ここにもまた孤独で寡黙なものの象徴としてのナマコが息づいている。ナマコの俳味をば、以ってよく味得すべきである。」と。