水鳥も見えぬ江わたる寒さ哉

アオサギ

 暖冬だったが、ふたたび寒くなった。快晴で風が強く吹いている。アオサギが川に、じっと立っていた。ゆっくり移動しながら、餌をさがしている。蕪村の安永六年の句に、

水鳥や夕日江に入(いる)垣のひま
水鳥も見えぬ江わたる寒さ哉

 『青春と読書』2007年3月号で、茂木健一郎の連載「欲望する脳」を読む。「学習依存症」と題して、

 かつて、本居宣長の下に集った商人たちが、「いやあ、先生、今まで様々な快楽を積み重ねて来ましたが、学問するというほどの喜びはありませんな」と本居宣長に言った。今の私はそんな感覚の中に日々生きている。そのような快楽主義のよって立つところを世の中に伝えることが、これからの大切な課題であると感じ始めている。  75ページ

 今月の新刊で杉本秀太郎の『京都夢幻記』(新潮社)に注目する。
 『洛中生息』のような読み物かな。*1
京都夢幻記