池田晶子と小池昌代の対談を聴く

モクレン

 昨夜からの強風が一日中続いた日だった。ぶるぶる。晴れているが、寒の戻りで寒い。
 街路樹の白いモクレンが、はっと目にも鮮やかに咲いていた。数日前は、まだつぼみだったのに、この間の暖かさで開花したのだろう。
 そばでじっくり眺める。うーむ。不思議だなあ。
 ラジオ深夜便の2003年7月27日の「サンデートーク」で、「すべては驚きから始まる〜考える楽しみ」を録音していた。
 先日、亡くなられた文筆家の池田晶子さんと、詩人の小池昌代さんの対談が録音されているテープである。池田晶子さんを偲んで、この対談を久しぶりに聴く。手元に、『残酷人生論』を置いて、あちこち開いてみる。
 詩の始まりは、不思議だなあと思うことから始まる、驚きみたいなものから始まると、小池昌代さんが話している。
 子供の頃の話や哲学や詩に関心を持ち始めたころのお二人の話が興味深い。
 「考えるとどうなりますか?」とアナウンサーが聞く。

池田 自分のことを大事にするから、他人を大事にすることになるでしょうし・・・。
小池 ひとりひとりが考えるっていうことが、なにかの結果にあらわれてくるかもしれないし、意外に「静かな革命」じゃないんですか。ひとりひとりが考えはじめるということは・・・。
池田 私は当初から、そう言っていたんですが。あまりに過激なので言わないようにしていたんですが、代わりに言ってくれた。(笑)

 終わり近くで、司会役のアナウンサーが「最近なにか驚いたことはありますか? 自分の生活の中で・・・」と聞く。

池田 生活といえば、特にこれといって、いつも相変わらず、考えごと・・・。(笑い)
小池 あたりまえのことにはっとすることがあれば、瞬間があれば、喜んで生きてるような状態ですね。