『先生とわたし』をめぐって

タンポポ

 快晴で風も強く冷え込む。枝垂桜の植えられている通りの道端の草むらに、タンポポを見つけた。
 晴れた夕方の西の空には、宵の明星の金星が高度を上げて来ている。高度は三〇度くらいだ。
 六日の朝日新聞の「鶴見俊輔さんと語る」を読んだ。この対談シリーズは今回で終わるらしい。対談相手のゲストは四方田犬彦さん。
 先日、『モロッコ流謫』で、ポール・ボウルズきだみのる石川三四郎などを読んだばかり。
 今回の「伝えたいこと」と題した対談で、例の『先生とわたし』をめぐっての談話があった。

鶴見 四方田さんの「先生とわたし」を3、4日かけて読み終えたとき、率直いって、涙がこぼれた。あれと比べられるのは、日本文学のなかでは鷗外の「渋江抽斎」ぐらいだ。隣に並べても甲乙つけられない。
四方田 師匠とは何かという、時代遅れのテーマをやってるわけです。

 「対談の後 考えた」と題した鶴見の文が面白い。