馬下りて高根のさくら見付たり

ソメイヨシノ

 山笑う。晴れて暖かい。空は霞んだようになっている。中国大陸の方から黄砂が偏西風で運ばれて来ているようだ。
 蕪村の句に、

馬下りて高根のさくら見付たり

 朝日新聞文芸時評を読む。「幻想と現実」と題して加藤典洋が書いている。小林信彦の「日本橋バビロン」に触れられていた。
 小池昌代の「45文字」、甘糟幸子の「あの春の朝の光」も。最後に、杉本秀太郎の『京都夢幻記』に言及あり。古川日出男は、最後、腰砕け、とある。さて、高根のさくらはあるのだろうか。
 内山節の『自由論』を読み続ける。第四章の、《「樹の自由」を考えながら》あたりから、俄然面白くなる。茂木健一郎の自然観と重なるものがあるような気がする。