鳥たちの暮らし

スズメ

 お椀の形をした燕の巣が書店の入り口にあって、燕が餌を運んでいた。雛のくちばしが、お椀から見える。
 夕方、川に面した遊歩道にあるベンチで休んでいると食べ物に惹かれてか、スズメの群れが近寄って来る。手に持っていたカステラを欲しがっているようなそぶりである。やせたスズメが混じっているので、千切ってカステラを一メートルほど離れた地面へ撒いた。しばらく、スズメの様子をみていた。
 内山節の『自由論』に、筆者の仕事場に姿をみせるスズメたちと遊んでいた時に感じた話がある。群れの中で、麻の実を食べるのにすぐ実を見失ってしまう動作のにぶいスズメがいる。すると、群れのボス格のスズメが自分が数粒の実を食べ終えると、みんなの様子をみて、また群れに加わってすばやく一粒の実を拾い、にぶいスズメの足元へポロッと実を落す。そうすると、にぶいスズメは、その実を拾いパキパキと食べはじめる、というのだ。

 そんな様子をみていると、私はスズメの文化水準の高さに敬服してしまう。そしてこれが仲間とともに生きるものたちの、自由の守り方なのかと、考えてしまうのである。  『自由論』69ページ

 公園の池へ寄り道。池の様子を見ていると男が一人やって来た。解説文を読んでいた。どちらからと問うと、パリから来たと返事。剣道を習っていて城を見たいからというので、同行する。
 別れた後、ブックオフで二冊、購入。各一〇五円。
 林屋辰三郎・梅棹忠夫多田道太郎加藤秀俊の『日本人の知恵』1980年17版(中公文庫)。
 小林カツ代の『自分でつくる これ、うましっ!』2002年(日経ビジネス人文庫)。
自由論―自然と人間のゆらぎの中で