川を渡っていると岸辺に渡り鳥がいた。ヒドリガモの群れである。岸辺で餌を探しているようだ。少し離れて一羽の白いアオサギが浅瀬に立っていた。群れはゆっくりアオサギのいる水面へ隊列をつくって移動してゆく。滑らかな水面を舟のように進む。
蕪村の句に、「池田より炭くれし春の寒さかな」。*1
中原佑介編著『ヒトはなぜ絵を描くのか』*2(フィルムアート社)を読み始める。隔月刊の『草月』に一九九六年十月から二〇〇〇年四月まで連載したのを一冊にまとめたもので、十人との対談と[対談を終えて]というコメントが付け加えられている本である。連載中にラスコーの洞窟の見学に始まり、アルタミラの洞窟の見学で一段落となったと筆者は言い、そこで感じたこと、絵の始まりは何だったかに考えをめぐらせている。対談はなかなか面白いね。