マルチェッロ・アルジッリの『くじらをすきになった潜水艦』

アキグミの花

 通りにアキグミの木があり、枝の先から白い花が咲き始めていた。四枚で、一枚が二ミリ半ほどの小さな花びらだった。
 高さが二十五メートルもあるメタセコイアの木にも、枝にみずみずしい若葉が芽吹いている。
 ブックオフでマルチェッロ・アルジッリの『くじらをすきになった潜水艦』1985年第四刷(大日本図書)を買った。一〇五円。
 安藤美紀夫訳、太田大八絵。『現代の寓話』(1968年)の五つの物語から四つを訳して収録している。他に彼の代表作に『キオディーノの冒険』(1955年)などがある。
 さて、『くじらをすきになった潜水艦』のあとがきを読むと、アルジッリは『猫とともに去りぬ』(光文社古典新訳文庫)のジャンニ・ロダーリが、子ども向け週刊誌(?)「ピオニエーレ」の編集長だったときに副編集長をしていた人のようだ。 

 イタリア児童文学の空想物語は、有名なコッローディの『ピノッキオの冒険』をはじめとして、いろいろありますが、この本もまたそれを代表するものの一つだといっていいでしょう。アルジッリには、今まであげた作品のほかにも、『十の都市』(Le dieci citta,1971)、モンツア賞を受賞した『こんにちは、アンドレア』(Ciao,Andorea,1974)などの作品があります。  訳者あとがきより