山に添ふて小舟漕ゆく若ば哉

センダンの木

 橋の近くにあるセンダンの木に若葉が芽吹いていた。幹は太くて背の高い老木なのだが、毎年花が咲き丸い実が鈴なりになる。
 蕪村の句に、「山に添ふて小舟漕ゆく若ば哉」。
 高橋源一郎の『ニッポンの小説 百年の孤独』(文藝春秋)から「エピローグ――補講」を読んだ。ここでも中沢新一の「芸術人類学」が語られていた。帷子耀の詩の引用もあり。その詩の「意味」を説明しているが、初めて納得した。
 ほかに、「ちからが足りなくて」(藤井貞和の詩より引用)で、荒川洋治の『文芸時評という感想』を論じる高橋源一郎の文が興味を引いた。