スティーヴン・フリアーズの映画『クィーン』

 スティーヴン・フリアーズ監督の映画『クィーン』2006年(The Queen)を、シネツイン1で観た。最終上映時間の回だったので混んでいるかと思ったが、十五人ほどの観客だった。
 主演のヘレン・ミレンエリザベス女王を、マイケル・シーン労働党党首で首相のトニー・ブレアを好演している。そっくりさんだ。
 思わず笑いがこみ上げてくる。
 ロイヤル・ファミリーの暮らしぶりが拝見できる。鹿狩りのできる土地を持っているのが驚き。四輪駆動車を運転する女王も見れて面白い。
 ダイアナ元皇太子妃の事故死をめぐって、英国王室と就任したばかりのブレア首相とマスコミのやり取りが、日付を追って展開される。
 ヘレン・ミレンの人間味あふれる女王の日々を演じた熱演に引き込まれた。
 この作品で本年度アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。
 ヘレン・ミレンは、ちょっとペギー・アシュクロフトに似ているような気がした。(と言っても、晩年の映画に出演したピーター・ホールの『おかえりなさい、リリアン』の印象だが・・・。)
 スティーヴン・フリアーズの映画は、『マイ・ビューティフル・ランドレット』を公開時にサロンシネマで観た。パキスタンからの移民の生活を描いていた。この映画はイギリスという国の底流にある人々の暮らしを見つめていて印象に残っている。
 シネツイン1で、「エンドマーク」5月号をもらった。六月のこれからの上映予定作品に、ロバート・アルトマンの『ロング・グッドバイ』1973年、『今宵、フィッツジェラルド劇場で』2006年(ロバート・アルトマン監督最後の作品)がある。
 『ロング・グッドバイ』はレイモンド・チャンドラー原作の小説『長いお別れ』をアルトマンが映画化した。
 映画館へ行く前に、ブックオフで一冊買った。一〇五円。
 長田弘『散歩する精神』1991年(岩波書店)。