カンヌ映画祭のこと

クスノキ

 カンヌ映画祭で、河瀬直美監督の「殯の森」(もがりのもり)が、最高賞パルムドールに次ぐグランプリを受賞した。日本作品のグランプリは九〇年の小栗康平監督の『死の棘』以来という。
 朝日新聞の記事で河瀬監督の受賞のスピーチに、「人生はたくさんの困難がある。お金とか服とか車とか、形あるものによりどころを求めようとするが、満たされるのは一部。目に見えないもの――誰かの思い、光、風、亡くなった人の面影。私たちは、そういったものに心の支えを見つけた時、たった一人でも立っていられる、そんな生き物なのだと思います」。
 九人の審査員団のうち、先日観た映画『クィーン』のスティーヴン・フリアーズ監督が委員長をしている。うーむ。
 22本のコンペ出品作のうち、アメリカ映画が5本だったが、賞に絡まなかった、と。
 映画『マイ・ビューティフル・ランドレッド』という作品を撮ったフリアーズ監督だからね。委員長のコメント「美しい映画で、監督も素晴らしい。だから選んだんだよ」。ふーん。まだ観ていないので何とも言えないが・・・。
 ブックオフの新しい店に出くわす。開店したばかりのようだ。一階は駐車場、二階が店舗である。一〇五円の棚から。
 柳瀬尚紀『英語遊び』1982年(講談社現代新書*1
 嵐山光三郎『「不良中年」は楽しい』(講談社文庫)
 保坂和志『生きる歓び』(新潮文庫
 巌谷國士『ヨーロッパ 夢の町を歩く』(中公文庫)
 松浦玲『勝海舟』1990年31版(中公新書*2
 高岡英夫『カガヤクカラダ』(運動科学総合研究所)
 支払いを済ませて店を出ると、にわか雨になっていた。
 『英語遊び』は、《日本語で英語を笑いとばす空前絶後の書》(表紙)