『つくる、たべる、昔野菜』

赤ネギ

 『つくる、たべる、昔野菜』(とんぼの本/文・岩崎政利、写真・関戸勇/新潮社)は、一九七〇年代から姿を市場から消してしまった野菜とその魅力(生命力と多様性に富み、なによりもおいしい!)を語り、その栽培のコツを教えてくれる。
 そして、「昔野菜」は家庭菜園やベランダ栽培にこそ向いているそうだ。
 元々は中国やヨーロッパから導入された野菜、いずれも自然交配や人々が選んで育種してきた野菜、そんな懐かしい味の野菜を「昔野菜」と筆者は呼ぶ。
 今日、園芸店で野菜の苗を購入する。ニガウリの苗と赤ネギの苗である。
 蕪村の句に、

雷に小家(こや)は焼れて瓜の花
あだ花は雨にうたれて瓜ばたけ

 明和三年六月十日と天明三年五月八日の句である。
 天明三年(1783年)七月から八月に、浅間山大噴火があった。同じ年に浅間山に先立って、大西洋上のアイスランドの火山も噴火。三月に岩木山も噴火していた。火山灰・火山ガスが北半球を覆い、日射量を減少させていた。
 天明の大飢饉(1782年〜1788年)のころの句である。1789年のフランス革命記念日は七月十四日。 
つくる、たべる、昔野菜 (とんぼの本)