みなづき、京のお菓子

ムクゲ

 ムクゲの花が咲いている。白に淡紅色がほんのり混じった花が目に鮮やかだ。蕪村の句に、「祗園会や真葛原(まくずがはら)の風かほる」。
 真葛が原とは、東山山麓の台地。歌枕とある。
 京都の六月というと、三十日に夏越(なごし)の祓(はらい)で、神社ではみそぎの神事がとりおこなわれるという。
 大村しげさんの『冬の台所』(冬樹社)に、

 六月三十日にはまた、必ずみなづきをいただく。六月にいただくのでみなづきという名がついたんやろうか。白いういろうの上に、甘煮のあずきを散らして、きっぱりと三角に切ってあるお菓子である。*1  37頁 

 この六月に、京都の町の暮らしをめぐる、『大村しげ 京都町家ぐらし』(横川公子編/河出書房新社)が出版されている。
 参照:らんぷの本http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309727578

*1:太字の箇所は傍点あり。