つくばふた禰宜でことすむ御祓哉

カンナの花

 カンナの花が咲いて、花びらに雨粒が残っている。レモン色とオレンジ色の二色の模様が鮮やかだ。

カンナ科の多年草。高さ一〜二メートル。葉は広楕円形で、下部は鞘(さや)になる。夏から秋にかけて紅・黄・白色などの大きい花を総状につける。中南米の原産で、ヨーロッパで改良され、日本には明治末に渡来。花カンナ。  『大辞泉

 先日の京都の夏越(なごし)の祓(はらい)で、みなづきというお菓子について、大村しげさんの『冬の台所』から引用したのだった。
 夏越をめぐって蕪村の句があった。「つくばふ(う)た禰宜(ねぎ)でことすむ御祓(みそぎ)哉」。
 正津勉『脱力の人』(河出書房新社)から「そういうわけで シリツをして下さい つげ義春」を読む。つげの「ガロ」への第二作が「西瓜酒」だったんだね。西瓜の中に酒を入れて売るという浪人の話。
 つげの作品に井伏鱒二の作品からの影響を語っているあたりは、納得するところあり。「嵐山で同居する清水昶も毎号購読していた。」とあって、ちょっとビックリ。