養老孟司の『小説を読みながら考えた』を読む

ナツメの実

 朝からアブラゼミが、鳴きやまず。正午ごろに、一時的に静かになる。
 夕方の月を眺めれば、明日が十三夜の月が南南東の空に昇っている。その右手上には木星が輝いていた。
 通りに植えられているナツメの木に、実が鈴なりであった。まだ、色付き始めてはいないが、小さなリンゴのような形をしている。背の高い木なので、仰ぎ見る。
 養老孟司の『小説を読みながら考えた』(双葉社)を読む。「小説推理」へ隔月連載していた書評をまとめたもの。あとがきに筆者が書いている。「いくつかの章は、読書とはほとんど無関係になってしまっていて、いわば社会時評になった。」と。だが、読んでいて書評からはみ出した話が興味深く面白いのだった。
 「抑制と品格」という文に、養老さんが若き日に中島敦の『弟子』の原稿を見せてもらった小さな古本屋のエピソードがあって読ませる。
 他に「批評とはなにか」で、加藤典洋の本にふれていたが、なるほどね。
 「小説推理」の連載はまだ終わっていない。まだ、つづいているようだ。
 ブックオフで二冊購入。
 『こどものとも年少版』2002年12月号・井上洋介作「あじのひらき」(福音館書店
 『歎異抄梅原猛 校注・現代語訳1982年19刷(講談社文庫)
小説を読みながら考えた