動く葉もなくておそろし夏木立

ナツアカネ

 午前五時半、南の空に高く、半月を見る。明日は下弦である。
 夕方、蝉の声が樹木から降り注ぐ中を公園の池に寄り道した。ハスのつぼみが、葉と葉の間からにゅーっと、あちこちに伸びている。
 蛙の鳴き声も池から聞こえて来る。
 トンボが、ハスのつぼみにとまっていた。そばで見つめていると、一瞬つぼみから飛び上がって逃げる。だが、すぐに戻って来て、再びハスのつぼみの先にとまった。トンボに十五センチくらいまで手を伸ばしても、目をきょろっと動かすだけで逃げない。翅(はね)は、前の方に寄せるように動いた。
 人差し指をクルクルまわして、トンボを捕まえたことがあったが、今日は眺めるだけ・・・。
 周辺は、いつもより人や車両が多い。川に白い布が浮かばせてあった。水中にひとが腰まで浸かってロープで引っ張っているのが見える。パラボラアンテナも置かれてあった。
 池のそばの百日紅さるすべり)の木に花が咲いている。
 蕪村の句に、「動く葉もなくておそろし夏木立」。
 北尾トロの『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』*1風塵社)を読んでいると、「漫画図書館青虫」を訪れているので、嬉しくなる。
 参照:「漫画図書館青虫」http://www16.plala.or.jp/aomusi-0064/index.html