鵯のこぼし去りぬる実の赤き

ナツメの実

 街路樹のナツメの木が、紅く色付いて来た。実をついばみに、鳥が来ている。樹下の草むらに、紅い実が散らばっていた。
 蕪村の句に、「鵯(ひよどり)のこぼし去りぬる実の赤き」。
 安永四年の句である。
 九月十一日は、部分日食南アメリカ南極大陸で見られたらしい。
 『中央公論』十月号の特集「古本生活入門」に、北尾トロの『ぶらぶらヂンヂン古書の旅』(風塵社)で、漫画図書館青虫の訪問記などがあったが、その北尾トロの対談があるようだ。
 他に、池内紀の「一日古書店散歩」など・・・。
 中村真一郎の『古寺発掘』(中公文庫)から、「無量寺」を読む。
 「無量寺」の副題に、芦雪の画業の宝庫、とある。芦雪とは、長澤蘆雪
 この本は、雑誌『旅』に、日本各地の古刹を行脚して、連載した紀行文を中心にまとめたもの。一九七一年新年号から、一年間連載。ただし、一ヶ月休載があった。
 T古本屋の店頭棚から、中村武志『女房がつけた探偵』1987年(旺文社文庫)を買う。五十円。カバー装画・装丁 杉浦範茂。