阿川弘之の『新編 南蛮阿房列車』のこと

 アーバンビューグランドタワー公開空地内のギャラリーGで、「はまぐちさくらこ個展」を観る。最終日で、会場は終了間近だったので観客はいなかった。絵本のなかに入り込んだような雰囲気だ。不思議ないきものたちが、壁に散りばめられているような展示。
 手作り見本のような「絵本」が数冊置いてあった。開いて眺める。マンガの手作り「本」は、登場人物の家族がパンツをはいていて・・・といった物語。「絵本」は、会場の作品を絵本化したような印象である。
 老舗古書店の支店で、文庫本を買う。
 野尻抱影の『星空のロマンス』1993年(ちくま文庫)絶版本。解説は石田五郎氏が書いている。
 阿川弘之の『新編 南蛮阿房列車』(光文社文庫)が安かった。八月の新刊だが、見返しに、シケアリとある。
 新潮文庫版の『南蛮阿房列車』、『南蛮阿房第2列車』、徳間文庫版の『自選 南蛮阿房列車』の三冊を底本としている。
 本文の文字は、大きめで読みやすい。文庫は、この位の大きさの文字だといいね。
 カルヴィーノ『むずかしい愛』1999年第6刷(岩波文庫
 田村隆一『小さな島からの手紙』1983年(集英社文庫)絶版。解説・吉増剛造
 三國一朗『肩書きのない名刺』1984年(中公文庫)
 
 ラジオ深夜便の今月の「読書で豊かに」は、俳優の篠井英介氏であった。明石勇アナウンサーの担当日。
 紹介された本は、演劇にふれた本が多かった。
 一冊目は、テネシー・ウィリアムズ小田島雄志訳『欲望という名の電車』。
 二冊目は、瀬戸内寂聴の『秘花』(新潮社)。世阿弥ですね。
 三冊目は、辻井喬の『幻花』(三月書房)。随筆集。その内容は、セゾングループの事業家とペンネームの辻井喬という二足のわらじにしては、対比が凄すぎる、と明石アナウンサーの話。ふーむ。読んで見たいね。
 四冊目は、波木井皓三『新派の芸』(東京書籍)。二十何年も前の本。
 篠井英介氏が、「女形をめざしていて、ヒントがこの中に、あるのでないかと、旧派に対して、新派(新劇)面白いですね。」とこの本を取り上げた理由を話されていた。