「いとしのオールディーズ」で正津勉の話を聴く

春とりキャベツ

 昨日の十一月八日は立冬であった。今日も晴れていて暖かい。最高気温は20度。
 七日に植えた春とりキャベツと高菜の苗を見る。根付いているようだ。
 蕪村の句に、「初冬や日和になりし京はづれ」。明和五年十月八日の句である。
 夜、ラジオのスイッチを入れると、NHKラジオで「いとしのオールディーズ」が始まるところだった。司会は青木裕子アナウンサーで、なんとゲストに正津勉さんが出演している。
 今週読んだ「週刊文春」の11月8日号に、書評欄の「著者は語る」で、ねじめ正一さんが新刊の『荒地の恋』について語っているのだった。
 ねじめさんの語っているのを読んでいて、今夜の出演の正津勉さんのことを連想したのだった。
 というのも、今年の夏は、正津勉の『脱力の人』(河出書房新社)と『行き暮れて、山。』(アーツアンドクラフツ)、それに『笑いかわせみ』(河出書房新社)を読んで過したからだ。
 とりわけ、印象深かった『笑いかわせみ』という本は、詩人の鮎川信夫北村太郎と一九八二年の正月を三人で過したという冒頭の回想から始まる。
 ねじめ正一さんが書いた『荒地の恋』の詩人の北村太郎鮎川信夫正津勉さんの三人の男が、正月を一緒に過すという、なんとも奇妙な冒頭からはじまる物語である。『笑いかわせみ』という本は、今年読んだ本で印象に残る一冊。
 「いとしのオールディーズ」で語る正津勉さんの話も、夏に読んだ本の中で書かれていたエピソードもあって、面白く聴いた。
 参照:ねじめ正一荒地の恋http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20071002bk03.htm?from=os2
脱力の人行き暮れて、山。笑いかわせみ