『点と線』と「読書で豊かに」

トウカエデ

 昨夜の夜半に外が明るいので出てみると、天頂近くに月が昇っていて、ちょうど南中である。満月で澄み切った夜空に光り輝いているのだった。
 今日も快晴で、夜明けは冷え込む。街路樹のトウカエデの紅葉が見事だ。
 蕪村の句に、「寒月に木を割る寺の男かな」。
 夜、テレビで松本清張の『点と線』のドラマを観る。二夜連続番組で、今夜は後半。清張は『点と線』が最初に読んだ本だったように思う。
 鳥飼刑事の鳥飼という名前は、福岡の鳥飼駅の鳥飼からかな。読んだ時そう思ったのだった。古代史物では、これもテレビドラマ化された『火の路』が面白かったなぁ。
 ラジオ深夜便は明石勇アナウンサーの担当日。ないとガイド「読書で豊かに」はゲストが青山南さんで、四冊の本の紹介があった。
 一冊目が、ジョン・アーヴィングの『また会う日まで』小川高義訳(新潮社)。ものすごく厚い本。
 二冊目が、レイ・ブラッドベリの『緑の影、白い鯨』川本三郎訳(筑摩書房)。ジョン・ヒューストンの映画『白鯨』の脚本を書いたブラッドベリだが、アイルランドの魅力というか魔力というか、アイルランド好きにはたまらない話が読めるとか。ちなみに、「緑の影」はアイルランド、「白い鯨」は白鯨を意味するそうだ。
 三冊目が、映画館の本で、〈復刻版〉銀座並木座ウィークリー編集委員会/編『銀座並木座ウィークリー』(三交社
 四冊目が、ピート・ハミルの『マンハッタンを歩く』(集英社
 来月のゲストは小池昌代さんである。
 参照:『緑の影、白い鯨』http://www.chikumashobo.co.jp/pr_chikuma/0711/071108.jsp