映画『グッバイ・ボーイズ』とマレーシア映画

プログラム2枚

 映像文化ライブラリーで、第19回東京国際映画祭TIFF)で話題になったマレーシア映画が、「マレーシア映画新潮」というタイトルで12月、1月にまとめて紹介されている。12月12日から16日までが今月。来月1月は24日から27日まで「マレーシア映画特集2」が上映される。
 12日のホー・ユンハン監督の映画『霧』は見逃した。今日のバーナード・チョウリー監督の映画『グッバイ・ボーイズ』(2005年)を観た。観客は少なく18人くらい。
 17歳の少年たちのグループがボーイスカウトの100キロを歩くという課題に挑戦するロード・ムービーである。舞台は1990年のマレーシアで、錫(すず)の鉱山の跡地のあるキンタ渓谷へ徒歩旅行で行って戻ってくる旅の話なのだが、過酷な旅で少年たちが成長していく姿を描いている。映画を観ているとマレーシアという多民族社会のコミュニティを、ほんの一部だがうかがい知ることになる。少年たちは英語で日常会話をしているが、家族とは中国語で電話しあったり、学校の授業のテキストは英語であったり、マレー語の語学検定というものがあったりと、かなり複雑な言語圏である。
 この後の上映映画では、15日のタン・チュイムイ(陳翠梅)監督の映画『愛は一切に勝つ』(2006年)に注目する。
 女性監督でデビュー作にして、釜山国際映画祭とロッテルダム国際映画祭で連続してグランプリを受賞している。