ブルーノ・ムナーリ あの手この手

 NHK教育テレビで「新日曜美術館」を観た。「こんぴらさん 知られざる美〜若冲、応挙から21世紀へ〜」と題して、金比羅宮のふすま絵と障壁画をめぐる番組である。ゲストに池内紀と画家の田窪恭治のお二人。
 壁から天井やふすまと細密な草花の絵が描かれた伊藤若冲の「花丸図」のある部屋、円山応挙のふすま絵の滝の水は庭へと流れていくように見える。だまし絵的な手法で描いている。遊び心のある絵だ。「虎の間」の「八方にらみの虎」も。
 そういえば、蕪村も応挙の絵が描かれた頃より二十年ほど前、金比羅に招かれて滞在している。丸亀のお寺に絵を残しているのだった。
 参照:「こんぴらさん」の美をさぐるhttp://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2007/1216/index.html
 「アート・シーン」の展覧会紹介は「生誕100年記念 ブルーノ・ムナーリ あの手 この手」に注目する。
 参照:「ブルーノ・ムナーリ あの手この手 」http://www.city.itabashi.tokyo.jp/art/schedule/e2007-05.html
 老舗書店に寄る。まだ残っていた『図書』『波』12月号を入手。
 内山節の新刊『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』を読んだ。畑の中にある小石の役割についての考察がある内山さんの『自由論』でのエピソードが、この新書でも取り上げられている。ここが、内山さんの思想のかなめになるところなのだと思う。
 この畑の中の石だけではなく、この『自由論』では「樹の自由」や「鳥たちの自由」をも考えているのだ。
 講談社のPR誌に『本』があるが、12月号に「ヘーゲル精神現象学』を読む」という竹田青嗣西研の対談などをみると、自然が問題にされていない。と、こう見えるんですね。人間だけを考えている。これで、いいんだろうか。
日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)