菊池日出夫の絵本のこと

ヒドリガモ

 川を渡っていると海鵜がゆるやかな流れに浮いている。水中へ姿を消すとはるか彼方の上流に浮かび上がって来る。ヒドリガモが二羽岸辺をすーいすーいと、滑るように泳いでいた。蕪村の句に、「鴨遠く鍬(くわ)そゝぐ水のうねり哉」。
 ブックオフで「おおきなポケット」2006年6月号(福音館書店)を一冊。いわむらかずお「かんがえるカエルくん」と金斗鉉(キム・トウゲン)作「ある日たんけんたい」を掲載。
 「こどものとも」(福音館書店)を三冊買う。内訳は、
 第379号『のらっこ』1987年、第394号『ゆきあそび』1989年、第412号『かぶともり』1990年で菊池日出夫の絵本。
 冬の遊び、雪だるま、雪合戦、スキー、橇(そり)遊びなどを描いた『ゆきあそび』を見ると、子供の頃の雪で遊んだのを思い出しますね。この絵本の最後の場面、ラッキーという犬が、雪のかまくらの中でつくったおしるこの餅を食べて歯に絡ませて、前足で餅を取ろうとしているしぐさが、見事に描かれています。犬を飼ったことがあるので、ことさらそんな風に思いました。