『東海道品川宿――岩本素白随筆集』のこと

 リンク元に、「素白随筆 岩本堅一」「岩本素白」で検索があるので調べてみると、なんと「qfwfqの水に流して Una pietra sopra」岩本素白の随筆が文庫になっているのを知る。『東海道品川宿――岩本素白随筆集』(ウェッジ文庫)である。こういう文庫が出ていることを、大きな新刊書店をしばらく訪れていなかったので気がつかなかった。
 聞いたことのない版元の文庫本から出ていたので驚いた。うーむ。ブログのありがたみが身に染みる。この版元は要注目である。
 25日の朝日新聞で、加藤典洋の「文芸時評」を読む。タイトルは「徒然草ポストモダン」。
 加藤典洋で、この一年でいちばん印象に残ったのは『週刊エコノミスト』の「問答有用」で、「『戦後』は一度死ななくてはいけない」というタイトルの加藤典洋へのインタビューだ。
 もう一つが、『群像』四月号の「グッバイ・ゴジラ、ハロー・キティ」である。
 それはさて置き、ようやく多田道太郎の『変身放火論』の第五章「ノルウェイの森」を読み終える。これは村上春樹の放火小説をめぐる多田さんの文だが、興味深い見方がされている。ちょうど、加藤典洋の「グッバイ・ゴジラ、ハロー・キティ」や、「『戦後』は一度死ななくてはいけない」というインタビューで語られた見方に近いものを感じた。
 他には、今月の『中央公論』2008年1月号の中沢新一吉本隆明の対談が面白かった。タイトルは《『最後の親鸞』からはじまりの宗教へ》。