『長江哀歌』と『エリザベス』

『エリザベス』立体ポスター

 今朝の朝日新聞の一面下に、国書刊行会より武藤康史の『文学鶴亀』の広告を見る。
 《「国語辞典を引いて小津安二郎を読む」・・・古くて新しい〈ことば〉〈文学〉を探る日本語探偵帖!》
 もしや「国語辞典を引いて小津安二郎を読む」というのは、『三省堂国語辞典』の「んんん」をめぐるあの箇所ではないかしら。『〈狐〉が選んだ入門書』の山村修が、武藤康史『国語辞典の名語釈』をめぐって、小津安二郎監督の映画『麦秋』のビデオを見て、原節子淡島千景とが話す場面での「んんん」というセリフに身震いする話があったけど・・・。気になる新刊だなぁ。
 午前、予約していた歯科へ。道中突風が吹きまくる。春の嵐のような。
 正午前から気温が下がりだした。寒の戻りかな。
 午後からキネマ旬報ベスト・テン特集で、公開中のジャ・ジャンクー監督の『長江哀歌』を観に出かける。サロンシネマ1で、窓口が込んでいたが座れた。中高年の観客が圧倒的に多い。満席で始まった。
 長江を船がゆっくり進む。ゆっくりゆっくり。三峡ダム。ダム工事に沈む街。別れた妻子に会いに遠くからやって来た炭鉱夫、行方不明の夫を探しに来た女。そして、ダム工事で沈む街の人びとの営みを描く。二人は三峡を去って行く。だが、それぞれの目的がすべて解決されるわけでもなく、人生は続いてゆくのだった。
 ジャ・ジャンクーの映画に身震いする。
 このあと、シェカール・カブール監督の『エリザベス ゴールデン・エイジ』を続けて観た。はしご割引で千円である。以前、『エリザベス』という映画に出ていたケイト・ブランシェットが、この映画で再びエリザベス1世を演じている。うーん。衣装が見ごたえありますね。ゴージャス!
 映画館から出ると、牡丹雪になっていた。