丸元淑生さんのこと

コサギ

 川岸の浅瀬に一羽の白いコサギがいた。あまり見かけない鳥だ。
 6日、作家・料理研究家丸元淑生さんが亡くなられた。
 参照:「おくやみ記事」http://www.jiji.com/jc/c?g=obt_date6&k=2008030600994
 ご冥福をお祈りいたします。
 丸元淑生さんといえば、栄養学の啓蒙的な知識や料理法の案内の本で知られるひとでしたが、私には『秋月へ』の人でもありました。
 中公文庫で読んだものでしたが、この小説は芥川賞候補になりましたね。絶版なので、復刊してほしい本です。
 作中の主人公の少年が祖母の住んでいる漁師町のある原爆直後の広島へ、九州から列車に乗ってやって来るのですが、焼け跡の街を歩いて行く道中に、鷹野橋という地名が出てきたり、祖母の家にたどり着くまでの描写や、祖母の家にたどり着いた時の描写が印象的です。
 その漁師町というのは母の生れ故郷なので、丸元さんの祖母とお父さんのことは祖父や母から聞いたことがあって、その意味で身近にこの『秋月へ』は読んだものでした。