『ヒロシマ・モナムール』とエマニュエル・リヴァの写真のこと

ヤマブキ

 ヤマブキが咲き始めた。山吹色が目に鮮やかだ。
 日仏交流150周年記念 「フランスシネマ・フェスティバル」で
アラン・レネ監督の『ヒロシマ・モナムール』(1959年、公開時の邦題「二十四時間の情事」1時間31分、白黒)をシネツイン1に観に出かけた。この映画の主演はエマニュエル・リヴァ岡田英次
 脚本はマルグリット・デュラスである。
 一週間限定の上映で、今日が初日である。館内は満員になり、補助席も出た。
 上映前に総支配人の蔵本順子さんともう一人木村さんの舞台挨拶があった。
 着物姿の蔵本さんが今回の緊急公開の事情を話される。映画が上映された後、1958年のロケで映画にエキストラなどで参加した人へ、テレビ局のカメラ二台が館内で取材撮影する光景があった。
 シネツインの「エンドマーク」4月号に、
本作誕生が50周年の今年に奇跡が。主演女優リヴァさんらが当時広島で写真を500枚もとっていた。中国新聞で既報されたのに合わせての緊急公開。広島が美しい。
 そのリヴァさんの撮影した1958年の写真を中心にした展覧会を、2008年12月に開催予定という。木村さんが舞台挨拶で、この展覧会を作ることに協力してくださるサポーターを募集しています、と話される。

 映画の中で、
 女が言う。「私はヒロシマを見た。」
 男が言い返す。「いや、あなたは何も見なかった。」
 といった体験者と非体験者が過去の惨事の記憶を共有したいと思いながら、共有できないことをもどかしく思う。
 17日の朝日新聞の記事では、《ロケの合間に主演女優や監督らの撮影した広島の写真約500枚がパリにあることを多摩美術大学港千尋教授(47)が確認した。これを機に、広島市中区本通の映画館「シネツイン1」で19〜25日にかけて、作品が上映される。12月には東京と広島市内で、見つかった写真が展示されることも決まり、「映画のエキストラや写真に写っている市民の中から一人でも多くの人が名乗り出てくれたら」と関係者は期待を寄せている。》
 予告編は、コーエン兄弟の『ノーカントリー』とマリオン・コティヤール主演の『エディット・ピアフ』であった。
 問い合わせ先:HIROSIMA1958「エマニュエル・リヴァの広島展」サポーター会議事務局