映画『つぐない』

 24日から上映されているジョー・ライト監督の映画『つぐない』をシネツイン1(本通り)で観る。最終上映時間の回で、観客は三十人余り。
 映画『靖国』は24日からシネツイン2(新天地)の方で上映されている。
 『つぐない』は、イアン・マキューアンの小説『贖罪』の映画化である。
 1935年のイギリス。映画の冒頭でタイプライターを打つリズミカルな音が聞こえて来る。カタカタカタ・・・。このタイプライターの音が、映画を観終わった後、じっくり意味をもって来るのが分かった。
 1935年、少女のついた嘘が、少女の姉と青年との愛を引き裂いてしまう。
 青年は刑務所へ。五年後、青年はドイツ軍との戦争に徴兵される。
 1940年のフランスのダンケルクで、ドイツ軍に敗退するイギリス軍の撤退の際に、青年(ジェームズ・マカヴォイ)は病没する。
 少女の姉(キーラ・ナイトレイ)も、ロンドンの地下鉄の地下でドイツ空軍の空襲を避けている際に、地下の避難場所に水が流れ込んで来て水没して亡くなるのだった。
 場面は今は作家として成功した少女の現在になる。テレビの番組で『贖罪』という小説についてのインタビューに答えているシーンになり、1935年の当時の少女の目に映った「真実」が明かされてゆくのだった。
 カタカタカタ・・・。繊細な映像と音が印象的だった。
贖罪