「赤塚不二夫なのだ!!」を観る

トノサマガエル

 夕方、公園の池に寄り道する。静かな水面にスイレンのつぼみが散らばって顔を出している。ハスの葉が折れて重なっている。そこにトノサマガエルがいた。
 今年初めて見かける。背中の色がすこしまだ淡い色模様だ。
 26日の映画館へ行く道中に池へ寄り道したとき、イングランドからの旅行中の夫婦がいて、土色のカエルが池の縁にいるのを見て言った冗談を思い出した。カエル料理をめぐって、フランス人と中国人へのイギリス人流のユーモアを聞いた。
 その冗談を聞いた後、映画『つぐない』を見ることになった。ところが、映画の中で少女の姉(キーラ・ナイトレイ)が、庭にある大きな池に服を脱いでカエルのように飛び込むのであった。なんだか可笑しかった。この映画、水に潜るシーン、水中を泳ぐシーンが多いなあ、と今思うのだった。

 今週は25日、NHK教育ETV特集石ノ森章太郎サイボーグ009を作った男」を面白く観たが、今夜は、NHKテレビで《プレミアム10「赤塚不二夫なのだ!!」》というタイトルで赤塚不二夫を振り返る番組を観た。
 日曜日が石ノ森章太郎で、金曜日は赤塚不二夫。60年代から70年代を回顧するような番組がつづく。
 
 赤塚不二夫さんについて、フジオプロ当時の長谷邦夫とりいかずよし北見けんいち古谷三敏さんらが語る。少年サンデーの編集者だった武居俊樹さんも。武居さんは、フジオプロに寝泊りしていた編集者。
 出演されていた長谷邦夫さんは、以前はメガネを掛けられていたが、テレビで見たところメガネなしで素顔だった。最初は誰か分からなかった。ずいぶん印象が違って感じられる。
 長谷さんの漫画にキャラクターの長谷さんが登場していますが、あの頃はメガネをかけられていました。黒縁の太いメガネを。
 とりいかずよしさんも昔のおもかげがあまりないような。北見けんいちさんと武居さんは余り変わってはいないおもかげである。
 番組の構成上、付け足し風なんですが(失礼)、みうらじゅんしりあがり寿喜国雅彦の三人がおそ松くんに登場するキャラクターについて語る趣向のシーンがあった。
 まあ、こんなもんでしょう。
 番組のなかで、ニャロメと松尾スズキが対談するアニメがつくられていて、アニメで60年代から70年代のニャロメの時代を語り合うという内容なのだったが、赤塚不二夫論になっている。作風がナンセンスからシュールへの変化、展開。
 ここがポイント。
 ほかに、現在のフジオプロの仕事場の映像も見られてよかった。以前は新宿駅から甲州街道を歩いて、場外馬券売り場を過ぎて文化服装学院の建物を左に見て行くとあった。
 長谷邦夫さんの貸本マンガ時代のインタビューが『貸本マンガ史研究』に近いうちに掲載されれば、是非読んでみたい。