蝮の鼾も合歓の葉陰哉

ネムノキ

 晴れて蒸し暑く、梅雨の中休みである。街路樹のネムノキの花が盛りになった。淡紅色が風にゆれている。
 蕪村の句に、「蝮(うわばみ)の鼾(いびき)も合歓(ねむ)の葉陰哉」。
 先月の初め頃だったか、書店で高橋俊夫という人の新刊『折口信夫と近世文学』(清文堂出版)をなにげなく捲っていると岩本素白に学んだ人で、本の冒頭あたりで岩本素白の思い出などにふれている。 
 高橋さんの本も研究書の枠を軽く超えている部分、寄り道の部分など味わいがあるなぁ。
 岩本素白につながる「芸風」?
 来嶋靖生・編『東海道品川宿――岩本素白随筆集』(ウェッジ文庫)という本で、来嶋靖生さんが岩本素白の随筆集を編集されたり、平凡社からは『素白随筆集―山居俗情・素白集』が出たりしましたね。