NHKラジオ深夜便で6月16日に放送された「清張さんに教わったこと」と題した番組を録音していた。
松本清張への担当編集者を経験したひと森史朗さんへのインタビューで、聞き手は宇田川清江アナウンサーだった。
その録音していたテープを聴きなおす。浜田山の清張さんの家へ原稿を取りに行くときの、作家と編集者の駆け引きの話が面白い。清張さんが編集者に朝6時に原稿を取りに来い、というエピソード。
当時、清張さんのミステリーが掲載されると、雑誌が五万部増刷されるっていう、もうそれだけ求められているという時代でしたから、同じ会社の中でも取り合いなんですね。
原稿というのは時間があれば書けるというわけじゃなくて、ぎりぎりになって醗酵してですね書き上げるんでしてね。井上ひさし、野坂昭如、五木寛之、三浦哲郎さんの原稿執筆の癖を面白く聞く。
兵隊から帰って戦争直後の清張さんは書きたいが書けないという雌伏の時間が長かった。
実際に地方を自分の足で歩いて地道な蓄積が実を結んでいる。天性なジャーナリストですからね。
どんな時代も事件を起こすのは人間ですからね。今清張さんが生きていらっしゃったら、その事件がなぜ起こったのかということ、清張さんの方法は事実を徹底的に踏まえて想像を膨らませて小説に書き上げる・・・。当時親しみを込めて、皆さん清張さんと呼んでいたそうです。
ゲストの森史朗さんに『松本清張への召集令状』(文春新書)があります。
参照:『松本清張への召集令状』http://book.asahi.com/review/TKY200805060053.html
- 作者: 森史朗
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/03/17
- メディア: 新書
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (14件) を見る