月は東に

ハス

 早朝にゴーヤを収穫した。これで何本目か。ゴーヤはぐんぐん伸びる。
 明るくなるとセミが鳴き始める。正午ごろの気温が三十四度。暑い。 
 蕪村の句に、「大仏のあなた宮様せみの声」。*1
 午後二時に雷雨あり。短時間降った。じきに夏の青空と暑さに戻る。
 夕方、公園の池に寄り道する。糸トンボとハスを撮っていると、横にスイスのローザンヌからの男が並んで撮り始めた。撮った画像を見せてくれるので、この花の名前を知っている? と聞くと知らないと言う。
 そこに、車輪と車体が木製の自転車男と前輪が人の胸の位置まであり、後輪が膝の高さほどの大きさの自転車男がやって来た。池の見物客の目が二人の自転車へ注がれた。その自転車で旅行中のようだ。感嘆の声が上がる。
 その後、老舗古書店の支店に寄り、森本哲郎『月は東に』1997年(新潮文庫)を買う。
 副題に「蕪村の夢 漱石の幻」。カバーに《漱石の『草枕』は蕪村俳諧の小説化――豊富な知識と卓抜な推理が冴える生きた日本人論。》解説は半藤一利
 週末は、秋山祐徳太子『天然老人』(アスキー新書)を読んだ。
 巻末の赤瀬川原平との対談が面白い。とぼけた味わい。種村季弘さんのエピソードなどあり。

月は東に―蕪村の夢 漱石の幻 (新潮文庫)

月は東に―蕪村の夢 漱石の幻 (新潮文庫)

 

*1:脚注に、大仏―京都方広寺の大仏。東に宮門跡妙法院がある。