世になき友を算(かぞ)ふ

アブラゼミ

 涼しい早朝に墓参りに出かける。暑くなりだしてからもう一箇所の遠方へ墓参りに行く。
 道中、残暑が厳しい。冷たい麦茶を入れた魔法瓶を携行する。ぐびぐびと飲む。帰宅すると、お盆で姪っ子らが来訪。
 蕪村の句に、

  秋夜閑窓のもとに指を屈して、世になき友を算(かぞ)ふ
とうろうを三たびかゝげぬ露ながら

 「秋夜閑窓のもとに指を屈して、世になき友を算(かぞ)ふ」という蕪村の前書きがある。安永二年(1773年)七月の句らしい。
 蕪村五十七歳の頃の句か。