「新・話の泉」を聴く

いちじく

 夕方、日が暮れると南西の地平線近くに三日月が沈みかけていた。北からの風が吹く。
 蕪村の句に、「唐きびのおどろき安し秋の風」。*1 
 昨夜(2日)、NHKラジオの「新・話の泉」を途中から聴いた。
 ちょうど、悲憤慷慨「世の中審議会」が終わるところだった。
 出演は、いつものように立川談志山藤章二嵐山光三郎毒蝮三太夫松尾貴史の各氏で、渡邊あゆみアナウンサーが司会をしている。 
 この「世の中審議会」のあと、PUFFYの「アジアの純真」という曲の歌声が流れ、歌詞に北京・ ベルリン ・ダブリン・ リベリア・・・と世界の地名が歌われている。
 渡邊あゆみアナウンサーが、「世界の地名で遊ぼうと思います」と言い問題を出して行く。
 質問と回答が面白い。うーんとうなずく名答があって拍手したくなる。
 渡邊 音楽に酔ってますね?
 松尾 ウィーン。
 渡邊 ロケットの打ち上げに失敗すると?
 山藤 ヒューストン。
 渡邊 火炎太鼓はどんな音がしますか?
 嵐山 ロンドン、ロンドン、ロンドン。
 渡邊 おい、詐欺師どこへ行く?
 毒蝮 ダマスカス。
 渡邊 2か3か?
 立川 シカゴ。
 渡邊 「ですか」を大阪弁では?
 松尾 ダッカ(そうだっか)。
 というような回答があった。まだまだ、このあとオタワ、アテネジャカルタ・・・と続く。こういうのもあった。
 イギリス紳士のお洒落(しゃれ)は? カサブランカ(傘ぶらんか)。
 「新・話の泉」では、駄洒落の復権を切に願っております。と言って渡邊アナウンサーが盛り上げる。
 その後、志ん生の落語「黄金餅」が放送された。この噺には地名がどんどん出て来る。
 これを聴いてから落語検定の問題になった。今月は古今亭志ん生の芸名をすべて順番に挙げてくださいという問題だ。
 最後は談志の「家元のジョーク」があり、侯爵夫人を豚と言った男のジョークでお仕舞いになった。

*1:脚注に、おどろき安し―藤原敏行「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」(『古今集』四)。