九月は映像文化ライブラリーで、人形アニメで有名なチェコのアニメーションの作家を紹介している。「チェコ・アニメーション傑作選」のプログラム1を観に出かけた。
初日で、ヤン・シュヴァンクマイエルの作品を6本つづけて観る。
『J・S・バッハ―G線上の幻想』(1965年、9分、白黒)
『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』(1964年、11分、カラー)
『家での静かな一週間』(1969年、20分、カラー・白黒)
『庭園』(1968年、16分、白黒)
『オトラントの城』(1973―79年・17分、カラー)
『ジャバウォッキー』(1971年、13分、カラー)
このうち、『庭園』はアニメではなく普通の映画だが、暗示的でナンセンスな味わいのある映画だった。
1968年といえば、チェコでは「プラハの春」の時代だ。
最後の『ジャバウォッキー』というアニメは、チェコで上映禁止になった作品。検閲で一部表現が過激と見られたのかもしれない。
こうして、つづけて見て行くと、どれも傑作だった。
『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』は二人の奇術師が舞台で奇術を交互に演じていくのだが、最後の握手の場面になると、スラップスティック・コメディぶりが最高潮に達する。その二人の奇術師の滑稽さに笑ったが、人間の行為への痛烈な風刺になっている気がした。
『家での静かな一週間』は、『庭園』と共通の雰囲気がある作品だ。