川を渡っていると、競技用ボートがやって来て去っていった。
オールを漕いでぐんぐん進むのだった。後ろ向きで前へ進む。
今夜のNHKラジオ深夜便の「ないとガイド」は明石勇アナウンサーの担当日で、「読書で豊かに」のゲストは篠井英介さんだった。
篠井さんが四冊の本を紹介する。
一冊目は、山川健一『虹の橋 キッド』(小学館)
二冊目は、山川健一『虹の橋 チャーコ』(小学館)どちらも大事なペットを喪った時のペットをめぐる文で、本当に素直に書かれた文章がいい。犬と猫と人間との交流についてとても共感できるという。
三冊目は、花柳章太郎『狐のかんざし』(三月書房)55部限定。箱入り。小型愛蔵本。
私にしてはバイブルのような人の本です。歌舞伎が旧派、旧派に対して新派。最後の新派の女形。
(装丁は)絹の布を張ってあるんですね。本は天金になっていて、挿絵も入っている。
篠井さんは現代劇の女形をやっていらっしゃるんで、と明石さんが水を向けると、篠井さんが この人あってこその今のぼくたちがある、と語られていた。女形の醍醐味について篠井さんと明石さんの談論が展開される。
四冊目は、亀岡典子『文楽ざんまい』(淡交社)。文楽、今、いいんですよ。
文楽を知るにはとてもいい本であるそうだ。是非お奨めの本。
亀岡さんは産経新聞の記者で文楽について本当に愛情を持って書かれている。
なかなか触れることの少ない芸能だと思いますが、人形を媒介にして人間を演じていく。それを支える人の芸の素晴らしさ、それを楽しめるイマジネーションをもてる日本人の感性を大事にしていきたいですね。
東京で今、若いひとに人気が出ているそうですね。と明石さん。
来月はゲストに植島啓司さんを予定。
参照:『狐のかんざし』http://www5f.biglobe.ne.jp/~sangatushobo/sangatu.top.html