庵の月主をとへば芋掘りに

ゴーヤ

 早朝、ぶら下がっているゴーヤの実を収穫する。3本。37センチ、34センチ、35センチ。
 晴れた南西の空に下弦の月が見られる。青空に月が半月で・・・。
 蕪村の句に、「庵(あん)の月主(あるじ)をとへば芋掘りに」。

 高見順の『敗戦日記』(文春文庫)を読みつづける。昭和二十年の日記に、

 九月二十一日
 妻とサツマイモの葉茎をつまむ。ゼンマイのような感じでうまいというので、試食することにした。(中略)

 九月二十三日
 南方諸島嶼の日本軍はほとんど飢餓状態だという。

 九月二十四日
 秋晴。
 イチジクの実が熟した。――しかしよく熟してからもいで食べようと思っていると、蜂が寄ってたかって食べてしまう。蜂と争って食べるのである。  294〜295ページ

 夕方、公園の池に寄るとデジカメのシャッターを押してくれというので押してあげる。池を背景に写真を撮るところだったのだ。どちらからと問えば、チェコからだという。プラハからだと。

 うーむ。チェコ・アニメーションを最近見ているのでその偶然にちょっと驚く。男親と息子という親子のようだった。そういえば、顔の感じがミラン・クンデラに似ているような風貌だった。