ジャック・ドゥミ監督の映画『天使の入江』（１９６２年、フランス、８２分、白黒）を観る。
海岸に沿った道を女が一人歩いて来るシーンから始まる。右手に海が見える。湾になっている海岸だ。クルマからの移動撮影で、歩いている女はだんだん小さくなって見えなくなる。
場面は切り替わって、パリの銀行。
銀行員のジャン（クロード・マン）は、同僚のギャンブル好きに誘われてカジノへ行き、たまたまルーレットで大金を得てしまう。カジノへ行く同僚の車は、同僚がルーレットの賭け事で得た大金で買ったものである。
ジャンは父と二人で住んでいるのだが、賭け事を嫌う父から叱られ勘当されてしまう。
夏の休暇に同僚から勧められるニースのカジノへとジャンは旅立つ。
ニースのホテルに宿を取るとカジノへ出かける。
カジノでジャンはルーレットをしている時にジャッキー（ジャンヌ・モロー）という名の女と出会う。
意気投合して二人で、ルーレットの賭けに勝ち続ける。大金を得て、今度はモナコへ車を買ってそれに乗って行き、豪華なホテルに宿を取ると、二人でカジノへ繰り出す。
その二人の仲たがいや、互いに惹かれあったり反発しあったりがある。
そのあいだに、今度はルーレットの賭けが裏目裏目と出て負け続けてしまい、二人とも休暇を終えてパリへ戻るお金も無くなってしまう。
とうとうジャンは、勘当された父から帰りの旅費を送金してもらう。
パリへ戻らないというジャッキー。一緒に戻ろうと、うながすジャン。
最後にジャッキーは、ジャンと共にパリへ戻ろうと決意するのだが・・・。
ラストはハッピーエンドなのか。あるいは、まだまだ二人でギャンブルに溺れているのか。
これは分からない。ラストは印象的であった。
軽快な音楽はミシェル・ルグランによる曲である。
この時期にジャンヌ・モローはジャン＝リュック・ゴダールの映画『女は女である』（１９６１年）に出演している。『女は女である』の主演はアンナ・カリーナだが、音楽については、これまた『天使の入江』のミシェル・ルグランが担当している。
