「aer」と「随想」

リヴァの着物

 6日の県立美術館地下講堂であったエマニュエル・リヴァさんを迎えての「トークショー」に、超満員のため入場できなかった。
 地下から地上へ出て、真向かいのアーバンビューグランドタワー公開空地内にあるギャラリーGに向かった。歩いて1分である。北風と低温で底冷えがする日であった。
 「HIROSHIMA 1958 エマニュエル・リヴァの広島展」をギャラリーGで観ることにした。二度目である。
 映画『ヒロシマ・モナムール』で着られた着物が二階の奥に展示されている。
 今回は裏表が逆に展示してあった。その着物を見て、観客の女のひとたちが「(大きさが)小さいわね。袖が小さいね。浴衣(ゆかた)かしら・・・。でも、帯をしていないようね。」と、リヴァさんが映画のロケ撮影当時着ていた写真と見比べながら話している声がする。
 二眼レフの写真機の後ろにDPEの紙のファイルが展示されている。
 高橋写真機店という店のネガフィルムを入れる紙のファイルで、フランス語でメモが書いてある。

 8日、『新潮』2009年1月号で、川上弘美の「aer」と蓮實重彦の「随想」を読んだ。
 「aer」が面白かった。ユーモアあり。笑う。神話はつづく。そう、神話はつづくのだ。
 「aer」を読んで、ふと西脇順三郎の詩を思い出した。
 蓮實重彦の「随想」は新連載エッセイである。
 初めに今年のノーベル賞の話題からはじまって、内田樹のブログでの村上春樹論に及んでいる。その展開がユーモアあり。
 参照:「HIROSHIMA 1958 エマニュエル・リヴァの広島展」http://hiroshima1958.blog116.fc2.com/