ヨウコ・アールトネン監督の映画『革命の歌』

 「山形国際ドキュメンタリー映画祭優秀作品上映会」が映像文化ライブラリーで12月23日から28日まで開催されている。
 26日、ヨウコ・アールトネン監督の映画『革命の歌』(2006年、フィンランド、80分、カラー、白黒)を観る。観客は10人ほど。
 フィンランドの1960年代後半、社会主義運動に惹かれて歌を歌うグループが若者の間で流行った。
 40年ほどの時が過ぎて、その当時の男女のグループが若かった頃に夢中になって歌っていたことを回想し語る。フィンランドから外国のドイツ(東ドイツ)で行われた歌の祭典に参加した当時の白黒フィルムやカラー映像の記録フィルムとをはさみながら。
 そして、今や中高年になった彼らが今の職場、図書館、学校、スーパーや事務所で、若い頃に熱中した懐かしの当時の歌を熱心に歌ってみせるシーンがある。
 映画では、冒頭から最後まで、歌声が続く。
 その若い頃歌っていた「革命歌」というのが何であったのか。
 そしてロシアでの社会主義運動というものが何であったのか。
 憧れてロシアを訪れた彼らの一人が見て体験したモスクワの食料事情への幻滅。1918年のロシアからフィンランドが受けた影響。
 そういったことの回想が淡々と歌と共に語られる。プログラムにあるように「フィンランド発ミュージカル・ドキュメンタリー映画」であった。