阿川弘之の『我が青春の記憶』を聴く

ヒドリガモ

 川の岸辺に渡り鳥のヒドリガモの群れがいた。
 もっと近くで見ようと、そーっと近づいた。岸の石垣に寄り集まっていたヒドリガモたちは、人の気配に気がつくと一瞬のうちに向きを変えて、岸から離れようと動き出したのだった。
 
 阿川弘之の『我が青春の記憶』(文藝春秋)に付属のCDを聴く。
 このCD本は、RCC中国放送)で2006年10月21日から2007年1月13日まで、毎週土曜日17時30分よりの15分番組で放送されたものを大幅に加筆したものである。
 放送が再編集されて2枚のCDに著者の談話が収められている。
「第一章 広島の思い出」からはじまって、終わりの「第十三章 晩年の仕事 『高松宮日記』校閲」までを面白く聴いた。
 阿川さんの「兵科予備学生としての海軍体験」と「日米情報戦の勝敗」をめぐる話、暗号たとえば広島や長崎に原爆を落としたB29のコード・ナンバーを傍受していた話。
 通信関係の解析作業、暗号解読に類することばかりやっていたそうだ。
 阿川弘之の原爆小説『魔の遺産』のことは知らなかったなぁ。

我が青春の記憶

我が青春の記憶