うどん屋

葉桜

 園芸店で北進キュウリの苗を購入。葉桜が見頃だ。
 今夜は十六夜の月で、十五夜より月の出が遅くなった。夜半に南中して南西に傾く頃になると素晴らしく美しい。
 佐伯一麦の『芥川賞を取らなかった名作たち』(朝日新書)で、島田雅彦佐伯一麦の巻末対談が面白かった。タイトルというのは、「文学賞の選考はスカウトであり、福祉だ」というものですが。
 芥川賞候補作一覧が巻末にあって、第80回(昭和53年下半期)の候補作に丸元淑生『秋月へ』があった。昨年(2008年)3月に亡くなられた丸元さんの作品なのだが、直木賞でも丸元さんの作品は田中小実昌さんが直木賞を受賞した時に受賞を逸している。 
 そのときに丸元淑生を推したのは丸谷才一だった。丸元さんが大学生のときに学生で出版社を経営していて、そこから丸谷さんの本を出版したということがあったとか。
 『秋月へ』(中公文庫)は、今は絶版なので入手が難しい。
 柳家小三治の落語「うどん屋」を聴く。キング古典落語特選のテープで。
 鍋焼うどん・・・と流して歩くうどん屋の声音(こわね)がいい。
 酔っ払いが、うどん屋にからむ。そのぐだぐだした会話が可笑しい。
 もう一つ、「初天神」も聴く。
芥川賞を取らなかった名作たち (朝日新書)