『追放された魂の物語』

山吹の花

 気温が上がり夏日になる。ヤマブキも咲き始めた。
 八重咲きで見た目は梔子(くちなし)色、鬱金(うこん)色に似ている。鮮やかな濃黄色だ。

 バラ科の落葉低木。山間の湿地に多く、群生する。葉は互生し、卵形で先がとがり、縁に二重のぎざぎざがある。晩春、黄色の五弁花を開き、実は暗褐色。古くから庭木とされ、八重咲きのものは実がならない。  『大辞泉

 蕪村の句に、「山吹や井手(ゐで)を流るゝ鉋屑(かんなくづ)」。
 朝日新聞連載の杉本秀太郎の「私の収穫」の第4回は「含羞のリズム」。今回で完結だ。
 10日の読売新聞を買ってくる。永久保存版にすることに。
 ミシェル・シマンの『追放された魂の物語』を読みはじめる。
 映画監督のジョセフ・ロージーへのインタビュー。
 ジョセフ・ロージーの「父方の祖父の母はウォルトンといった。彼女はアイザックウォルトンの子孫だった。」(10ページ)
 「『エヴァの匂い』から『唇からナイフ』まで」に、映画『エヴァの匂い』の撮影の経緯が語られていて興味深い。フランスの映画プロデューサーのアキム兄弟(実際はロベールのほうだけ)との確執、ヴィルナ・リージ、ジャンヌ・モロービリー・ホリデイミシェル・ルグランの音楽などに触れている。
 《ともかく『エヴァの匂い』は、当時の私の心境を色濃く反映した映画だったわけだ。》(267ページ)

追放された魂の物語―映画監督ジョセフ・ロージー

追放された魂の物語―映画監督ジョセフ・ロージー

 なお本書の仏語版の原題は直訳は「ロージーの本」。翻訳は志水賢と中田秀夫のお二人によるもので、中田さんの「訳者あとがき」を読むと、

 なお本書は、仏語版(Le livre de Losey, par Michel Ciment, Edition Stock, 1979,1985)を原典としつつ、ミシェル・シマン氏から実際の(英語での)対話テープをお借りし、英語版(Conversations with Losey,Methuen&Co, Ltd,1985)も参照しながら、内容の充実に努めた。 507ページ