「国民服」をめぐる随想

ピーマン

 園芸店で、ピーマンとニガウリの苗(追加)を買う。
 屋外にいろいろな野菜の苗が並べられている。トマト、ナス、アシタバ、落花生、黒皮カボチャ、トウモロコシ、オクラ、パセリ、ネギ、唐辛子、スイカ、ウリ、茗荷(みょうが)、生姜(しょうが)など。野菜栽培の計は春にあり。
 『新潮』2009年5月号の連載で、蓮實重彦の「随想」が第五回になる。
 「国民服」をめぐる随想なのだが、小津安二郎の映画に「国民服」が登場したことがあっただろうか。
 筆者は「国民服」について、小津の映画の記憶と自分の歴史的な記憶を重ね合わせるように筆を運ぶ。
「国民服」という言葉が筆者と同年代の小説家である古井由吉の『野川』に書かれている。
 東京大空襲を筆者は疎開していて見ていないはずなのだが、3月10日に東京に戻っていて「体験」していると筆を運ぶ。夢かうつつか。
 1968年の年にも筆が向けられる。1968年5月だろうか。
 この随筆は変幻自在な筆さばきをただ読めばいいのだろう。