空と曽良

夾竹桃

 夕方、南の空に高く上弦の月が眺められた。快晴で北西の風が強い。大気は乾いている。街路樹の夾竹桃の花が満開だ。

 キョウチクトウ科の常緑低木。株立ちとなり、葉は竹に似て、三枚が輪生。乳液に毒がある。夏、紅色の花を開く。花は先の五裂する筒形であるが、八重咲きが多く、白色・淡黄色などもある。インドの原産。  『大辞泉

 K古書店の店頭本で丸谷才一『男ごころ』1989年(新潮社)を購入。装幀・舟橋全二。
 「一夜の宿」という文に『曽良随行日記』に書かれている《丸や義左衛門といふのは、どうやらわたしの先祖らしい。つまり芭蕉はわたしの家に泊つたんですね。》とある。うーむ。
 先日読んだ光田和伸著『芭蕉めざめる』で、芭蕉の「奥の細道」の旅の随行者の曽良が何者かであったかが分かり、その曽良芭蕉が丸谷さんの先祖の家に泊まったということに何か不思議な気がした。
 こういうことも、袖振り合うも多生の縁ということかな。